最近の小学生は、学年とともに就寝時間も遅いです。
塾や習い事、親の仕事の関係など理由はさまざまですが、まるで大人のような生活スタイルに。
また家にはいるけど子供が早く寝なくて困っている、という悩みを持つママやパパもいませんか?
夜寝るのが遅くなれば、朝起きるのもツラいもの。
分かっているものの、寝かしつけても子どもは布団の中で寝てくれず。と、どんどん悪循環になってしまうこともありませんか。
子どもの睡眠時間と睡眠の質は、学力や成長に大きく影響することも分かっています。
悩んではいるけど、実際何をどのようにしていけばいいか分からなくイライラしては本末転倒です。
今回は子どもが寝るのが遅いのは、なぜいけないのか。
睡眠不足への悪影響や早く眠るための寝かしつけのコツをご紹介します!
睡眠時間が短いとどうしていけない?成長や学力への悪影響
「子供は早く寝た方が良い」と漠然と思っていませんか?
しかし毎日の生活や子供たちの塾や習い事などで、それは理想と片づけてしまっていることもありますよね。
子どもの成長や学力のためにも、小学生の理想的な睡眠時間は『10時間』と言われています。
もし朝6時に起きる子であれば、20時に寝れば10時間の睡眠時間がとれます。
「夜の8時に就寝?!」
びっくりされる方も多いですよね。
W学童に入っていたり、塾に通っていたりしたら20時はまだ早い時間と思う方も多いでしょう。
ですが、心と体の成長に大切な時期にしっかり睡眠を取らないと健やかな生活も築けません。
遅くとも21時~21時30分には就寝させるようにしたいものです。
子どもへの睡眠不足4つの悪影響
子どものころから睡眠不足、また睡眠の質が悪いと身体や心に大きく影響を及ぼします。
特に欧米諸国ではさまざまな調査もされており、夜更かしには悪影響しかないことがよく知られています。
そのため、小さなころから早く寝るようにしつけられ、平均すると1日60分~90分ほどの睡眠時間の差が日本との間にあるのです!
睡眠不足のデメリットをよく知っておきましょう。
①集中力がなくなる
睡眠時間が短いと単純に眠たいですよね。
睡眠不足は、集中力の低下を招きます。
睡眠不足による集中力の低下、散漫は大人も子供も関係ありません。
「眠くて仕事に集中できない」
「運転をしていて危ない目に合いそうになった」
など経験があるのではないでしょうか。
子供もまったく同じなのです。
「授業中眠くて授業に集中できない」
「体育の時間に怪我をしてしまう。」
集中力の低下により、判断力・記憶力も低下し学業はもちろん、生活へも影響します。
しかも怖いことに、能力が低下したことの自覚がないことがほとんどなのです。
②精神状態が不安定になる
良質な睡眠を得るためには「メラトニン」と「セロトニン」というホルモンの分泌が非常に重要になります。
セロトニンは楽しいとき・幸せな気分を感じるときに分泌されストレス軽減にもなり、別名「幸福ホルモン」とも呼ばれる大事なホルモンです。
しかし睡眠不足が続くとセロトニンの分泌も減り
- 睡眠不足で眠たい、なんかイライラする
- 些細なことが気になる
- 自分の思い通りにいかないとキレる、イラつく
- つねに緊張し落ち着かない
- クヨクヨしがち
など精神的に不安定になる影響の原因にもなります。
睡眠不足が体内時間をくるわせ、精神的に落ち着きのない子にしてしまうこともあります。
③成長を妨げる
「寝る子は育つ」ということわざを聞いたことがありませんか。
よく寝て、心と身体を休ませることは子どもの成長に欠かせない事だと、科学的根拠のない時代から教訓として言い伝えられていたのです!
人の体は睡眠中に成長ホルモンが分泌されています。
成長ホルモンというのは、脳下垂体から血液中に分泌されるホルモンで、体を成長させるだけという単純な物ではありません。
- 免疫力、疲労回復効果…体調がすぐれない時に寝ることで回復したり、疲れていても寝て起きたら頭がすっきりさせます。
- 骨・筋肉の成長…背を伸ばす作用や筋肉や骨や皮膚を強くします。
- 肥満防止…成長ホルモンが、骨や筋肉の成長・修復を促してくれています。それだけではなく、脂肪の分解も促します。
- 免疫力・細胞促進…細胞の新陳代謝を促し治癒力を高め、また免疫力を高めます。
子どもの成長には欠かせないホルモンなんです。
また脳の成長にもが重要な役割を果たしてくれています。
小さな赤ちゃんは、睡眠中にその日の出来事を整理すると言われているのを知っていますか。
成長ホルモンが記憶を整理し、定着させてくれるのです。
覚えることが沢山あり、心身ともに成長が必要な子供にとって「成長ホルモン」はとても大切なホルモンです。
夜に寝るだけで分泌されるので、早く寝た方が得ですよね!
④第二次性徴を早める
夜に眠気を誘うホルモンに「メラトニン」があります。
メラトニンとは、脳の奥深く松果体から分泌されるホルモンで、夜暗くなると分泌されます。
しかし小さなころから、夜更かしや睡眠不足の生活を続けてしまうとメラトニンの分泌量が減ってしまい「第二次性徴を早める」危険性があります。
第二次性徴とは、女子であれば『乳房の発達・月経の始まり』などで、男子であれば『声変わり・筋肉や骨の発達』といった思春期に出現する性の特徴です。
メラトニンの分泌量が減ってしまうと、このような第二次性徴を抑えることができず、8~9歳という低年齢での性徴が見受けられます。
例えば女の子の場合、初潮が始まってしまうと身長も止まることがほとんどです。さらに生涯排卵数も決まっているため、初潮が早まれば閉経も早まります。
更年期障害もひどくなりやすいと言われています。
幼い年齢で身体的成長がストップしてしまうこと、心理的社会問題になってしまうことなど子どもの心身ともに負担となってしまうのです。
第二次性徴を早めるのはメラトニンだけが原因ではありませんが、夜にスマホやゲーム・TVといった光の刺激を受けることも、メラトニンの分泌量を減らすので注意しましょう。
早寝するためにできる6つのポイント
色々と書き連ねてきましたが、結局のところ1番知りたいのはどうやって早寝の習慣を作るかですよね。
私も真剣に悩んだ時期がありました。
小学生の子供にただ「早く寝なさい」と言ってもなかなかうまくいかないのが現実です。
そんな時、是非試してもらいたい対処方法を4つご紹介します!
①毎朝、朝日を浴びる
朝日を浴びることでセロトニンの分泌を促します。
さきほどもお伝えしましたが、セロトニンは精神状態の安定に繋がりますし、朝の目覚めを助けてくれます。
カーテンをあけ朝日を浴びることで、子供の脳と体に「朝だよ」と教えてあげることは大切です。
朝日を浴びないと、体内時計は毎日少しずつずれていくため夜間適切な時間にメラトニンが分泌されなくなってしまいます。
朝日を浴びることは、昼間にセロトニン・夜間にメラトニンの分泌を促す好循環をつくりだします!
曇っている日や雨の日は?という疑問もありますよね。
残念ながら雨の日では、晴れの日よりも1/100ほどの照度となってしまいます。
意識的に太陽光を浴びることがセロトニンを分泌させるために必要です。
②朝ごはんをきっちり食べさせる
朝ごはんを食べることで、脳にもしっかり刺激が送られ目覚めになります。
体にも栄養が運ばれて、生き生きとした1日が送れるのです。
寝るのが遅くなれば、起床時間も遅くなるのは当たりまえ。
そうすると朝食を食べなくなる原因にもなります。
もっと詳しくは、こちらの記事で。
>>>朝ごはんを食べないと小学生の成長や学力が低下する!食べさせる5つのコツ
③昼間にたっぷり遊ぶ・運動をする
日中にたっぷりと運動や遊びをして、身体を動かしてあげることはとても重要なことです。
昼間に体を動かしていないと自律神経の働きをおかしくしてしまいます。
自律神経を乱してしまうことは、自然な眠気を遮るだけでなく、疲れが取れない、元気が出ない、無気力になってしまうなど心身ともに不調へと導きます。
④昼寝を最低限にする
幼児や低学年の子どもの場合、昼寝をたくさんするとその日の夜に眠れなくなってしまうこともあります。
厳しい方法かもしれませんが、どんなに頑張って早起きしても何時間もお昼寝をしてしまったら早寝はできません。
お昼寝をした場合でも、30分~1時間と時間を決めて起こしてあげるのが良いでしょう。
⑤生活のリズムを作る
規則正しい生活リズムをつけるのは、初めは難しいかもしれません。
しかし徐々に体内時計が整い、良いリズムの生活が送れると思います。
食事や入浴の時間を一定にすることも大切ですが、ゲームやTVなどの制限時間のルールを設け、ベッドに入る時間を一定にしましょう。
お手伝いができる子と出来ない子、
自分から進んで出来る子になって欲しいですよね。
>>>子どもがお手伝いできる内容は?自ら考える力を持つ子にするには?
⑥読み聞かせや子守歌などの入眠の準備を作る
寝る前の準備もルーティーン化しましょう。
例えば「読み聞かせ」「子守歌」「部屋を真っ暗にする」など、これをしたら寝るという習慣を作ります。
うちでも、部屋で読み聞かせ(この時は間接照明で薄暗く)、読み終わったら部屋を真っ暗にしてお休み~、と声をかけて寝かせてしまいます。
2歳の頃からこのルーティーンなので、どこかに泊まりに行っても寝グズることがほとんどありません。
まとめ
子供の成長にとって大切な「睡眠」。
生活リズムはもちろん、健康にもとても大事です。
子供が早く寝られるための準備は大変ですが、ママやパパの時間も取れると思えば、尚更やってみようと思いますよね♪
なるべく理想の時間に近づけるように、ご家族みんなで体制を作っていきたいですね^^