私たちの周りには見えない細菌や
ウイルスなど無数にあり
病原体にもなっています。
妊婦さんがこの病原体に感染すると
妊娠の経過や赤ちゃんにまで
悪影響を及ぼすことがあるものもあります。
今回は
「妊娠中に気をつけたい感染症!」
をご紹介します。
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妊娠中に気をつけたい10の感染症
妊娠中はホルモンバランスが変わり
免疫力も低下するため感染症に
とてもかかりやすくなります。
どんな感染症が母体や胎児に影響を与えるのでしょうか。
①風しん
風しんウイルスに感染すると
発疹・発熱・リンパ節腫脹などの症状がでます。
このウイルスで問題となるのは
「胎児感染」です。
妊娠4~20週に初めて風しんにかかると
赤ちゃんに
・難聴
・心疾患
・白内障
・緑内障
という障害をもつことがあります。
これら「先天性風しん症候群」と呼ばれます。
しかしすべての風しん感染が
先天性風しん症候群を引き起こすわけではなく
妊娠週数によりリスクも違ってきます。
妊娠週数が早いほどリスクが高く、
妊娠4~6週では100%
7~12週では80%
13~16週では45から50%
17~20週では6%
20週以降では0%
という報告があります。
妊娠初期に風しんにかかると
ほとんどの確率でリスクを得てしまうのです!
怖いですよね。
②水疱瘡
水痘帯状疱疹ウイルスは
・飛沫感染
・空気感染
・水疱内容物の接触感染
で感染します。
このウイルスは感染力がとても強いのが特徴です。
妊婦が感染すると
通常(非妊娠時)よりも重症化しやすく
肺炎など合併する可能性もあり、
胎児感染も起こりえます。
感染した時期により
・皮膚の萎縮
・目の異常
・手足の低形成
というような影響を及ぼします。
③HTLV-1
ヒトT細胞白血病ウイルス
(Human T-cell Leukemia Virus Type1)
の略です。
血液中のTリンパ球に感染します。
感染したほとんどの人は
病気を発症することなく一生を過ごしますが、
ごく一部、1000人に1人の割合で
・成人T細胞白血病(ATL)
・HTLV-1関連脊髄症(HAM)、
・HTLV-1関連ぶどう膜炎(HU)
を発症します。
このウイルスは母乳を介して
感染させる恐れがあります。
出産後の授乳時に赤ちゃんへ感染する
ことがあるということです。
④パルボB19ウイルス
聞き慣れないウイルスの名前ですが
「りんご病(伝染性紅斑)」の
原因ウイルスです。
妊娠中に初感染したり発症すると
・胎児水腫
・流産
と胎児に危険をおよぼします。
⑤サイトメガロウイルス
ヘルペスウイルス科の一種で、
多くの人は既に感染し
成長過程上に免疫を得とくします。
しかし妊娠中に初めて感染した場合、
胎児にも感染することがあります。
このウイルスはいたる所にいる
ありふれたウイルスです。
すでにお子さんを持つママが
妊娠中に子供の食べ残しを
食べて感染したり、
性行為で感染したりします。
感染したときに胎児に与える影響は
・低出生体重
・黄疸
・肝機能異常
・難聴
といった症状がみられます。
⑥トキソプラズマ
トキソプラズマ原虫という
寄生虫が原因の感染症です。
感染した場合、
一部の人は風邪に似た症状があり、
しかしほとんどの人は無症状である
ことの方が多いです。
妊娠中に初めて感染すると、
胎児にも感染することがあります。
症状はさまざまですが、
・目の異常
・水頭症
などがあります。
詳しくはこちらに
⑦B群溶血性連鎖球菌 (GBS)
女性なら比較的認められる細菌です。
問題となるのは
分娩時に赤ちゃんに産道感染すると
髄膜炎や敗血症などの重症の
B群溶血性連鎖球菌感染症を起こす危険
があります。
⑧性器クラミジア感染症
クラミジア・トラコマチスが
原因の性感染症です。
自覚症状がないので
気付かないまま分娩してしまうと
赤ちゃんへ感染する恐れがあります。
産道感染すると
・新生児肺炎
・結膜炎
を引き起こすことがあります。
カンジダ膣炎も産道感染するのでご注意を!
→【感染症】妊娠中の膣カンジダ症!赤ちゃんへの影響はあるの?
⑨性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスが原因
の感染症です。
性器や周辺に水泡や潰瘍があらわれます。
また自覚症状がない場合もあります。
胎内感染による胎児の異常や産道感染を起こすと
赤ちゃんに重症な肺炎や脳炎を引き起こすことがあるので
帝王切開にて出産になることもあります。
⑩リステリア症
リステリア・モノサイトゲネスという細菌です。
ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモンなどから検出されます。
免疫機能が低下している妊娠中は少量の菌でも発症し敗血症や骨膜炎など
重症化することもあります。
また胎内感染も起こり流産の危険もあります。
まとめ
このほかにもお母さんや赤ちゃんに影響を与える細菌やウイルスはあります。
定期的な妊婦検診や検査が重要となってきます。
抗体検査を受けることで、免疫(抗体)の有無を調べることができますよ。
胎児は卵膜や胎盤で感染を防御していますが完全なものではありません。
お母さんが赤ちゃんの安全を守ってあげてください。
怖い感染症予防法をまとめた記事もよろしかったらどうぞ。