妊娠をすると容易に薬を飲むことが出来きません。
でもちょっと風邪気味なとき、
これ以上こじらせたくないこともありますよね。
いつもなら迷わず飲んでる葛根湯は
妊娠時に大丈夫なのでしょうか?
今回は妊娠中の葛根湯の服用についてご紹介します。
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葛根湯は妊娠中でも大丈夫はウソ?
漢方なら体にやさしそう、
というイメージがありませんか?
確かに漢方は薬草の根・葉・皮
果実・種などを配合したもので
自然成分の薬です。
しかし漢方といえど体に効果があるなら
反対に体へ悪い作用をもたらすこともあります。
漢方だからと気軽に飲んでいいとは限りません。
ましてや妊娠中は自分一人の体ではなく
薬が胎児に影響することを考えないといけません。
多くの病院で妊娠中でも葛根湯を
処方されることがあります。
葛根湯は効き目もゆるやかで
副作用も比較的少ないこともあります。
しかしどの人にも全く副作用がないか?
というと100%の安全の保障はありません。
まずは葛根湯の成分や副作用も
よく知っておきましょう。
脂溶性ビタミンAの摂り過ぎも
胎児に先天性異常や奇形を与えます。
気をつけたいですね。
→ビタミンAの摂り過ぎはダメ!妊娠中にレバーやうなぎを食べても大丈夫?
葛根湯の成分と気をつけたい副作用
葛根湯は風邪や頭痛や肩こりなど
広く使用される有名な漢方薬ですよね。
葛根湯は以下の7つの生薬から作られます。
- 葛根(カッコン)・・・発汗作用、解熱作用、鎮痛作用
- 麻黄(マオウ)・・・発汗、鎮咳作用、気管支のけいれんの抑制作用
- 桂皮(ケイヒ)・・・解熱作用、鎮静作用、血行促進作用、抗血栓作用
- 芍薬(シャクヤク)・・・血行促進作用、鎮痛作用
- 甘草(カンゾウ)・・・疼痛の緩和作用、緊張を緩和する作用
- 大棗(タイソウ)・・・胃腸機能を整え、精神を安定させる
- 生姜(ショウキョウ)・・・体を温める、消化機能を整える
とくに妊娠中、葛根湯の主成分の
「麻黄」は気をつけたい成分です。
麻黄には強い発汗作用があり
汗をかけず、体内に熱がこもってしまう
発汗作用を促したいときに有効ですが、
逆に発汗過多となる恐れもあります。
そのため妊娠中でなくても
体の虚弱な人、高齢のかた、
胃腸の調子の悪い人、
発汗の多い人、
このような方には向きません。
服用後の副作用の心配があります。
また交感神経興奮作用や
中枢興奮作用がある
エフェドリンが含まれます。
エフェドリンは胎盤を通過するとも
考えられているため胎児への影響も心配されます。
麻黄製剤は発汗を促す。エフェドリンは末梢循環を損ない、胎児胎盤系の血行障害を生ずる。
引用:http://kampo-ikai.jp/
胎児への悪影響のNO1はタバコ。
禁煙できてない方、家族が喫煙者の方、
お腹の赤ちゃんはこんなに苦しんでいます!
葛根湯の副作用
葛根湯は副作用が少ない、
との認識が広まっていますが
副作用が全くないというわけではありません。
体質や体調、飲み合わせなど
場合によっては副作用があることもあります。
- 胃の不快感
- 食欲不振
- 吐き気、嘔吐
- 動悸
- 不眠
- 発汗過多
- 発疹、かゆみ
などがあります。
また浮腫みを生じたり、
血圧を上昇させる、
手足の痺れということもあり注意が必要です。
もし服用後に体の異常を感じるようなら
必ず医師の診断を仰ぎましょう。
麻黄だけでなく妊娠中、
「大黄(だいおう)」が入る漢方薬、
「桃仁(とうにん)」が入る漢方薬、
「牡丹皮(ぼたんぴ)」が入る漢方薬、
などは特に気をつけて欲しいです。
これらには子宮収縮作用や骨盤内充血作用があり
また下痢を伴わせる可能性もあります。
出血を促し、血の巡りを良くする作用もあり
十分に注意が必要です。
妊娠中に欠かせない栄養素といえば「葉酸」
水溶性ビタミンの葉酸は、毎日の摂取が必要です。
妊娠中に足りない栄養素とともに摂取しましょう!
葛根湯に効果的な風邪と逆効果な風邪
葛根湯には強い発汗作用・発熱作用があります。
そのため風邪の初期に寒気や頭痛、
鼻水、鼻詰まりが起こるタイプの風邪
「風寒(風寒邪)」には良く効きます。
そして筋肉痛や体の節々の痛みなどにも効きます。
逆に高熱を伴う風邪、咳や喉の痛み、
口が渇くというタイプの風邪
「風熱(風熱邪)」には効果が少ないです。
正しい服用の仕方
①食前もしくは食間の空腹時に飲む
胃の中に何も入っていない状態が
成分が吸収され効果が出ます。
食後に飲むなら最低2時間は空けましょう。
②「白湯」で飲む
白湯というのは
「水を10分以上沸かしたお湯」です。
沸かすときにやかんの蓋を外し、
蒸気とともに不純物を除きます。
飲みやすい温度まで下げて
(冷やしすぎてはいけません)
葛根湯を服用します。
効果的な飲むタイミングはこのとき
・寒気を感じ始めた
・頭痛や筋肉痛がある
・節々に痛みを感じ始める
いつもとちょっと違うな、ダルく感じるな
という風邪の引き始めでないと
葛根湯の本来の効果を得られません。
まとめ
葛根湯は副作用が少ないこともあり
妊娠中の風邪に処方されることもあります。
しかし副作用はゼロではありません。
医師の判断での服用ならいざ知らず
自己判断での葛根湯の服用は止めましょう!
よく休んでお腹の子のためにも体調を万全にしましょう!
薬は嫌だな、という方には